取引先からの接待の断り方

できれば断りたいと思っているビジネスマンも多い、取引先との「会食」や「食事会」「忘年会」などの接待。ここでは、そんな飲み会や接待断り時に使える「取引先からの接待の断り方」について紹介しています。
取引先との関係を円滑にするため、接待を受けることがあります。
確かに接待を受ければ、取引先とのコミュニケーションは図れるかもしれませんが、正直なところ「食事や飲み会はできれば断りたい…」というケースも多いハズ。

ただ単純に「NO」と伝えるだけでは、取引先との関係性を悪化させてしまう可能性もあります。一体どうすれば、相手の気分を害さずに、こちらの気持ちを伝えられるのでしょうか。
ビジネスマナーに則った、スマートな接待の断り方を例文を挙げて紹介していきます。

接待は会社同士の付き合い

接待の場に招待する人、招待される人は、会社に所属する「個人」です。
取引状況によっては、自分自身が「接待を受ける身」になることもあるでしょう。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、接待の本質についてです。

接待は、会社が会社をもてなす行為です。
接待を断るときにも、その決断は「会社全体の決断」とみなされます。
だからこそ、マナーに則った形できちんと断ることが大切なのです。
誤解を避けるためにも、曖昧な態度はとらないようにし、誠意のある行動を心掛けましょう。

一般的に使える2つの断り理由

では、得意先からの食事や飲み会のお誘いに対して、誠意をもって断るためにはどうすれば良いのでしょうか。
ここで鍵となるのが「接待を受けられない理由」についてです。

接待を断るときでも、ただ単純に「参加できません」と伝えるだけでは、ぶっきらぼうな印象になってしまいます。
「なぜ接待を受けられないのか」という理由をきちんと説明することで、得意先にも納得してもらいやすくなります。

但し、どんな「理由」でも使えるわけではないので注意してください。
一般的に接待を断る際に使える理由は、以下の2つです。

日程の都合が合わないので…
会社の方針で接待を受けられないため…

もちろん、食事や飲み会への参加を断る理由は、この2つ以外にも様々です。しかし、相手が取引先の場合には、不快にさせないための気遣いが必須です。
「断る理由を、素直に伝えるべきではない」と思うときは、上記の理由で相手を納得させることをオススメします。

接待の断り方例文

接待を断るときの例文は以下のとおりです。「どう伝えるべきなのか」と悩んだときには、ぜひ参考にしてみてください。

日程が合わないことを伝える場合

接待に招待されたにも関わらず、何らかの理由によって参加できない場合、もっとも使えるのが「日程の都合が合わないため断る」方法です。
この場合、以下のフレーズを活用してみてください。

あいにくその日はほかに予定が入っており、調整が難しい状況です。
ただいま仕事の納期が迫っており、残念ながら今回は参加できません。
残念ながら仕事が立て込んでおりまして、しばらくは予定が立てられない状況です。
私事で恐縮ではございますが、予定が立て込んでおり、今回は謹んで辞退させていただきたく存じます。

自分の名前を名乗り、声をかけていただいたことへの感謝の意を伝えた後に、これらの理由を伝えましょう。

せっかくの機会ですのでご一緒させていただきたかったのですが…
ご一緒させていただきたいのはやまやまなのですが…

こうしたフレーズを間にはさみこむことで、「本当は行きたかったのですが、やむを得ず断ることになってしまいました」という気持ちも伝えられます。

会社の方針で接待を断る場合

取引先から持ち掛けられた接待の中には、自分の立場や会社としての立場を守るために「受けるべきではない」ものも存在しています。
相手側が接待を企画した意図がはっきりしていて、会社としてその意向に沿うことが難しい場合には、断った方が無難です。
しかし、このときに「日程の都合」を理由に断れば、再度誘われてしまう可能性もあります。
また、「接待を受けられない理由」をそのまま伝えても、相手先に不快な思いをさせてしまうだけでしょう。

今回は相手の意向に添えなくても、今後また、別の形で取引が生まれる可能性もあるのがビジネスの世界です。
相手との関係性を悪化させないために使えるのが「会社全体の接待自粛」という理由です。

具体的な伝え方は以下のとおりです。

大変恐縮ではございますが、会社の方針で接待はなるべく自粛することになっています。
弊社規定のひとつとして、お得意様へ負担をかけないようにとの指示がくだっております。

こうしたフレーズにお詫びの言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

このような返事となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
せっかくお誘い頂いたにもかかわらず、申し訳ございません。
大変心苦しい限りではございますが、弊社の事情をお汲み取りいただければ幸いです。

上記をセットにして、丁寧な接待お断りメールを作成してみましょう。

まとめ

個人同士の関わりだけではなく、会社全体が関わってくる接待だからこそ「何でもとにかくOKすれば良い」というものではありません。
時には、取引先との関係を壊さないように配慮しながら、上手に断るスキルも求められます。

適当な理由を選んだら、相手の心情に理解を示した丁寧な文章を作成し、取引先からの提案を上手に断れるようになれば、社会人としての成長にもきっとつながることでしょう。