値引き交渉・価格交渉メールの書き方

ビジネスシーンでは部門を問わず、値引き交渉やコストダウン依頼が必要なケースが発生します。ここでは、ビジネスメールにおける価格交渉のポイント他「値引き交渉・価格交渉メールの書き方」について紹介しています。

取引先相手のビジネスメールでは、常に相手からの提案に対し「YES」の返事ができるとは限りません。
ときにはこちらの要望を伝え、そして価格交渉を行わなければならないケースもあるでしょう。
少し伝えにくい用件だからこそ、マナーを守って正しく伝えることが大切です。
メールで値引き交渉や価格交渉を行う際に、注意したいポイントを紹介していきます。

お願いする「姿勢」を見せる

取引先に対して値引き交渉を行う際には、あくまで「お願いする」という姿勢を見せるのがマナーです。
取引先にも、守るべき利益があります。
そして提示してきた価格には、それなりの「理由」があるはずです。
高圧的な態度で一方的に値下げを命令するような要望は、完全にマナー違反です。
お互いに良い関係を維持することは難しくなってしまうでしょう。

「交渉」と聞くと、「強気に出た方が良いのでは」と考える方もいるかもしれませんが、お願いした方が気持ちよく取引できるはずです。
当然メールを作成する際にも、「依頼メール」の形式でこちらの希望を伝えてください。
クッション言葉を活用して、柔らかい印象にするのが賢い交渉術と言えます。

お願いする「背景」を伝える

値引き交渉メールを送る際には、「なぜ値引きをお願いしたいのか」を伝えることで、より伝わりやすくなります。
単純に「値引きしてください」とだけ伝えるよりも、相手側の印象も違ってくるはずです。
値引き依頼をする背景としては、

他社価格と比較して差があるケース
市場価格との間に開きがあるケース
事前に想定していた予算と隔たりがあるケース
自社努力のみでは対応できないケース

こうした事情が考えられます。
状況に応じた理由で、相手方を納得させられるよう意識しましょう。

どの程度の値引きを希望するのか伝える

値引き交渉をする際には、具体的にどの程度の値引きを希望しているのかを伝えることで、相手方から明確な回答をもらいやすくなります。
必要があれば、希望値引き金額や、背景で記載した「他社価格」や「市場価格」についてのデータを一緒に送付しましょう。

○%(以上)の値引き
参考価格表をもとにした価格改定
新販売価格をもとにした○%の値引き依頼

これらの表現で値引きを依頼することで、自分の要望が伝わりやすくなります。
また、相手方の状況を無視するような値引き率の提示には注意が必要です。
マナーを守らない提案が原因となり、信頼関係を崩してしまいます。
メールを作成した後には、必ず数字に誤りがないかどうかチェックしてください。

言い回しには注意が必要

値引き交渉をスムーズに進めていくためには、取引先に対して丁寧な対応をすることが重要です。
特にメールでは、自身の感情や要望のみが先行しがちになります。
言い回しには十分注意して、失礼のないように心がけましょう。

日ごろの取引きに対して感謝を示すこと
相手の事情にも理解を示すこと
今後も積極的に取引きを続けていきたいと願っていること

これらの気持ちを示しながらマナーを守って交渉することで、前向きに検討してもらえる可能性が高まるでしょう。

値引き交渉メールで使えるフレーズ

では実際に、値引き交渉メールで使えるフレーズをいくつか紹介していきます。交渉術のコツとして、頭に入れておいてください。

大変恐縮ですが、○○の価格についてご相談がございます。
見積内容を検討しました結果、弊社の希望価格とは隔たりがございました。
○○の納入価格について、金額的に他社との差が大きく苦慮しております。
誠に恐れ入りますが、○%の値下げをご依頼させていただきたくご連絡させていただきました。
申し上げにくいお願いではありますが、各商品の価格改定をお願い申し上げます。
できれば貴社に発注したいと考えておりますので、価格の再検討をお願い申し上げます。
貴社のご事情もあるかとは存じますが、どうか値下げをご検討いただけますよう、お願い申し上げます。

これらのフレーズを組み合わせて、値引き交渉や価格交渉のメールを上手に作成してみてください。
丁寧な印象を守りつつ、自社の要望をはっきりと伝えることができます。

最初のメールで「記載しない方が良い」ポイントも

値引き交渉に関するメールは、ビジネスメールの中でも非常に重要な役割を果たします。
だからこそ、細心の注意を払って作成するべきだと言えるでしょう。
上司の指示に従ってメールでのやりとりを進めていくのがベストですが、最初のメールでは「記載しない方が良い」ポイントも存在します。

それは、「値引き依頼が受け入れられなかった場合の代替案」です。
あくまでもマナーを守った上で挑むべき価格交渉ですが、交渉は交渉。
最初から、自分たちの手の内を全て明かしてしまうようではいけません。

もちろん、取引先の状況によっては「値下げに応じられない」ケースもあり得るでしょう。
しかしその場合の対応策は、相手の出方を見ながら前向きに検討させることも、交渉術の一つです。
相手に敬意を払いながら有利に交渉を進めていけるよう、交渉のコツの一つとして頭に入れておいてください。

難易度の高いメールだからこそ、丁寧さを意識して

「もっと価格を下げて欲しい」という要望を伝えるには、なかなか勇気が必要です。
しかし、価格改定を依頼することは、ビジネスでは非常に重要な職務のひとつです。
言いにくいことだからこそ、こうした交渉メールでは丁寧さを意識することが大切です。
尊大な印象にならないように注意しながら、自分が言いたいことははっきりと伝えることで、良好な関係性を維持した交渉メールへとつながります。
ぜひ、ポイントを押さえた価格交渉メールを実践してみてください。